―「100万分の1」の静寂と「2m測定」に対応、製品開発・品質評価体制をさらに強化 ―
当社では自社製品の品質・信頼性向上と開発力強化を目的として、EMC(Electromagnetic Compatibility:電磁両立性)評価を行う「EMCテストラボ」を整備しています。
製品開発の早い段階から社内でEMC評価を実施できる環境を構築することで、「設計・開発 → EMC評価 → 課題抽出 → 設計改善 → 再評価」のサイクルを迅速に回し、開発期間の短縮、問題の早期発見、製品品質のさらなる向上につなげます。
開発スピード
外部試験のタイミングを待たず、開発段階から評価と改善を繰り返せる環境を整備。
■EMC課題の早期発見と手戻り低減が可能。
品質・信頼性
微小ノイズを含むEMC課題を早期に把握し、設計へフィードバック。
研究開発力
EMCに加え、無線・高周波を含む幅広い実験・評価への活用を想定。
製品開発を支える4つの特長
1. 120dBの高い遮蔽性能
100万分の1(120dB)という驚異的なノイズ低減性能を誇り、室外からの外来ノイズの影響を排除します。
2. MHz帯からTHz帯までの広帯域特性
MHz帯の低い周波数からTHz帯までの広帯域に対応し、次世代の実験にも活用できます。
3. 0.1度分解能のターンテーブル
0.1度単位で細かく角度設定でき、方向依存性を伴う詳細な評価に活用できます。
4. 明るく、作業しやすい試験空間
白色パネルを採用し、抜群の視認性と作業性を確保。開発現場での使いやすさを追求しました。
■国際規格に対応したEMC評価環境
本テストラボには、3m法試験の国際規格に準拠した5面無響室を設置。放射エミッション測定は30MHz~18GHz、伝導エミッション測定は150kHz~30MHzに対応し、CISPR 11/32、VCCI、FCC Part 15 Subpart B、EN 55032などの規格に対応した評価が可能です。
さらに、IEC 61000-4-2に準拠した静電気(ESD)試験、IEC 61000-4-11に対応した電圧ディップ・瞬時停電試験にも対応しています。


台車での搬入に配慮した無響室入口。設備の使いやすさにも配慮しています。 試験中の無響室内を確認できる監視環境。
「測定設備」ではなく、開発力を高めるための技術基盤へ
無響室は、シールド面寸法8.5m(L)×4.0m(W)×3.2m(H)、有効室内寸法7.5m(L)×3.0m(W)×3.0m(H)を確保。EMC課題の早期発見と手戻り低減を支援します。独自にカスタマイズした自動測定システムにより効率的なEMC測定を実現するほか、無線機の評価実験などにも柔軟に対応可能です。
さらに、3.2mの天井高を活かした2m測定軸での試験評価に対応し、更にはターンテーブル(φ1.2m、最大荷重200kg)は0.1度単位の高分解能設定を備えており、一般的な角度刻みよりも細かな条件設定が可能です。ノイズ源の特定や無線機器の指向性評価など、より詳細な検証に貢献します。
■開発者が「使い込める」EMCテストラボ
重視したのは、単に高性能な設備を導入することではなく、開発者が日常的に評価し、結果を設計へフィードバックできる環境をつくることです。高い遮蔽・吸収性能に加え、明るい室内、搬入のしやすさ、細かな角度設定など、実際の開発作業における使い勝手まで追求しています。


アンテナタワーとターンテーブルを備えた評価環境。 白色パネルと電波吸収体を組み合わせ、作業性にも配慮した無響室内部。
■EMCテストラボ 主な仕様
| 試験室 | 3m法試験 国際規格準拠 5面無響室 |
| 放射エミッション | 30MHz~18GHz |
| 伝導エミッション | 150kHz~30MHz |
| 主な対応規格 | CISPR 11/32、VCCI、FCC Part 15 Subpart B、EN 55032 |
| 製品試験 | ESD試験、電圧ディップ・瞬時停電試験 |
| 有効室内寸法 | 7.5m(L)×3.0m(W)×3.0m(H) |
| 遮蔽性能 | 120dB |
| 電波吸収性能 | MHz帯からTHz帯までの広帯域に対応 |
| ターンテーブル | φ1.2m、最大荷重200kg、分解能0.1度 |
より高い品質と信頼性を備えた製品づくりへ
当社では、EMCテストラボを自社の製品開発・品質評価・研究開発を支える技術基盤として積極的に活用し、評価で得られた知見を製品設計へ還元していきます。今後も高度な計測技術と評価技術を融合し、より高い品質と信頼性を備えた製品・ソリューションの開発を進めてまいります。